魅惑的なガーデン

ムッシュディオールの花への愛は、ノルマンディー州グランヴィルの自宅「レリュンブ」で過ごした幼少期に生まれました。

「花のような女性のための服をデザインしました。丸みを帯びた肩、女性らしいバストライン、ほっそりとしたウエスト、そこから広がるふんわりとしたスカートが特徴です」

- クリスチャン・ディオール

海を見下ろすこの館で、彼は、母マドレーヌによって毎月のように変化する庭園とともに、季節の移ろいを感じながら育ちます。

クチュリエとなったクリスチャン・ディオールは、インスピレーションを自然の中に求めました。彼が1947年のファーストコレクションのためにデザインした、花のような「femme-fleur (フラワーウーマン)」のシルエットは、「コロル」ラインがアクセントとなっています。

クチュリエがひときわ愛した春のシンボル、バラのつぼみと釣り鐘型のスズランは、豪華な刺繍とポエティックなプリントとなって、彼のルックに咲きほこりました。彼の後継者によって何度も再解釈された美しい花からは、無数のバリエーションが生まれました。

1997年、ピーター・リンドバーグは《Vogue》誌の依頼を受け、ジョン・ガリアーノによるディオール初のコレクションを撮影します。ビーズのコルセットで飾られ、ペイントや刺繍でフローラルパターンが施されたルックから、リアルなフレスコ画のような印象を受けたリンドバーグは、自身のスタジオでこのアイコニックなシリーズを撮り続けました。