Roger Vivier
クリスチャン・ディオールとロジェ・ヴィヴィエは1953年に出会いました。クリスチャン・ディオールはヴィヴィエの中に、クチュールや建築的なファッションへの情熱を共有できるデザイナーを見出しました。
しかし、このシューズデザイナーと協業するには、彼のデザインの独占権を持つアメリカ人、ハーマン・デルマンと契約内容について交渉をする必要がありました。
この契約により、ロジェ・ヴィヴィエによるフランスでのビスポーク製作を可能にしながら、ディオールのシューズを米国で販売できるようになりました。
クリスチャン・ディオールは作品にデルマンの名前を付けていましたが、ロジェ・ヴィヴィエの才能がマスコミにあまりにも注目されたため、1955年以降、シューズ関連のプレスリリースにはロジェ・ヴィヴィエの名を出すようになりました。
ロジェ・ヴィヴィエはアメリカのシューズメーカーとの契約から解放されるために、1958年まで待たなければなりませんでした。その後、1958年から1963年にかけて、ヴィヴィエは自身の名前でディオール コレクションのシューズをデザインすることができました。
ロジェ・ヴィヴィエがディオールとコラボレーションを行った10年の間に、革新的なフォルムのオリジナルデザインが数多く生み出されるとともに、オートクチュールの作品に匹敵する専門技術も開発されました。
© Dior Focus/Bryan Zammarchi ; © Association Willy Maywald/ADAGP, Paris 2022 ; © Bettmann/Getty Images ; © Laziz Hamani ; © Philippe Dreux. Courtesy of Cécile Dreux