Miss Dior
1949 春夏 オートクチュール コレクション「トロンプルイユ」ライン
5人兄弟の中で育ったクリスチャン・ディオールは、一番下の妹であるカトリーヌととりわけ深い絆で結ばれていました。
1947年、クリスチャン・ディオールが、「ニュールック」を特徴とする初のコレクションを発表。同年、彼はとりわけ深い絆で結ばれていた末の妹、カトリーヌへのオマージュとして、初のフレグランス「ミス ディオール」を発表しました。
カトリーヌ・ディオールは1917年に生まれました。その人生を、第二次世界大戦と切り離して語ることはできません。彼女は1941年にレジスタンス運動のユニットに加わり、ロンドンに報告書を送信する任務を担っていました。1944年7月、カトリーヌは捕らえられ、ラーフェンスブリュックに収容されることになります。彼女が解放されたのは終戦時でした。
その勇気を讃え、カトリーヌには戦功十字章やレジオン ドヌール勲章など、数々の象徴的な勲章が授けられました。
彼女の新たな人生を支えたのは、花への無条件の愛情でした。カトリーヌは「花の代理人」となり、パリで花を配送するようになりました。そして世界各地にフレッシュな花を送り届けていました。
「『ミス ディオール』は、ホタルが舞うプロヴァンスの夜に生まれました。そこではグリーンのジャスミンが、夜の大地が奏でるメロディにコントラストを投げかけます…」
1947年の発表以来、「ミス ディオール」とそのフレグランスコレクションは、メゾンのアイコニックなフレグランスの一つとして受け継がれてきました。
クリスチャン・ディオールはまた、自身のコレクションのいくつかのデザインにも「ミス ディオール」の名を付けています。
1949 春夏 コレクションの「ミス ディオール」 デザインは、カトリーヌ・ディオールの花への情熱に心からのオマージュを捧げるものでした。花々は手刺繍のモチーフとして、バルビエのメゾンによって施されました。
© Laziz Hamani ; © Collection Musée Christian Dior, Granville ; © Collection Christian Dior Parfums ; © Association Willy Maywald/ADAGP, Paris 2022 ; © Antoine Kralik ; © ELLE France/Jean Chevalier